エスカレーターは歩かず立ち止まろう。
いつの間にか当たり前になった、エスカレーターの片側を歩く人のために空ける風習。
危険回避の目的と、エスカレーターの破損を防ぐ目的、そしてなによりエスカレーター渋滞を少しでも減らすという目的で、
本来の『エスカレーターは歩かず止まって乗る』ことを推奨し始めていますね。
これはいい傾向です。
エスカレーターを歩くと、実は身体には良くないからです。
なぜエスカレーターを歩くことが身体に良くないのか?
では階段を昇ることも身体に悪いのか?
そのあたりを解説していきますね。
エスカレーターは歩く設計になっていない
エスカレーターはそもそも、歩くことを前提に設計されていないので、一段一段の段差が階段よりも高く出来ています。
一段ごとのサイズは、平均的な大人が立って乗った時に、ボディサイズが収まるように設計されています。
(最近ではリュックの人も多いので、背中が後ろに張り出してしまい、一段空けて乗らないと危ない場合もあります)
人が乗る平面部分をそのサイズで設計すると、一般的なエスカレーターの角度では一段一段の段差がどうしても高くならざるを得ません。
この段差は、膝と股関節に負担をかけてしまう段差なんです。
階段がエスカレーターほど段差が無いのは、歩いて昇ることを前提に設計されているから。
若い(といっても現代では体力の衰えが若年化していますが)時期であれば、少々の段差はものともしませんが、
中年期に差し掛かってくると、不具合こそ出ないものの気づかないレベルでこの負担が蓄積していきます。
階段とエスカレーターそれぞれのサイズは?
階段もエスカレーターも、だいたいのサイズが定められています。
私たちが立つ平面部分を『踏面』、横幅はそのままの『幅』、そして段差部分のことを『蹴上』といいます。
階段については、住宅の場合、踏面15cm以下、幅75cm以上、蹴上23cm以下と定められています。
エスカレーターにおいては、踏面40cm、幅120cm、蹴上21cmです。
おや?肝心の蹴上は、エスカレーターのほうがサイズが小さいですね。
エスカレーターの方は、二人乗りタイプのエスカレーターであればほぼ、このサイズで作られています。
が、階段については建築基準法で『このサイズのルールを超えないように』という最大(または最小)基準です。
なので、規定ギリギリのサイズで作られることはほぼありません。
特に駅やビルの階段の蹴上(段差)が23cmもあるような場所、見たこと無いですよね?
それもそのはず。23cmって、かなりキツい階段です。
不特定多数の人が使う場では適切じゃありません。
なので、駅やビルの階段の段差は15cm程度に設計されています。
でも、エレベーターは21cm。
僅かな差ですが、この違いが、気づかないうちに少しずつ、膝や股関節に負担を蓄積させてしまうんです。
毎日毎月毎年、少しずつ溜まった負担は、ある日突然、不具合となって膝や股関節に現れます。
同世代でもガンガンに元気な人とからだに衰えを感じている人がいる差は、運動不足的なものだけじゃなく、
『身体の使い方を間違えていたから』
という理由も大きいんですね。
21世紀も20年を過ぎ、医療も科学も飛躍的に進化した今、闇雲に『運動して身体を鍛えたほうが良い』という原始的な考え方から
『どういう身体の使い方をするのが良いか』
というレベルにアップデートしていきませんか?
かならず来る『未来』の自分のために今から準備が出来る人って、だいたいが人生うまく行くタイプですよね。
先のことに備えておくほうが良いよという教訓は、アリとキリギリスの寓話でもなじみがあるほど『基本のキ』ですが、
こと身体に関しては無関心な人が多いのはなぜでしょうね。
なので、エスカレーターを歩いて昇るよりも、階段を昇る方が、構造的には身体への負担が少なく済むと言えます。
そして、その階段を『どう昇るか』で、単なる運動が
ヒップアップや美脚を作るプロポーション改善法にもなりうるだけでなく、
体内の循環を高めて若さを維持するものにもなりうるんです。
階段を昇る時に使う筋肉は?
おそらく多くの人が、階段を登る時には画像に示した『大腿四頭筋』というモモの筋肉と『腓腹筋』というふくらはぎ部分の筋肉を使っているはずです。
誰に教わるわけでもなく当たり前のようにこの昇り方をしてきていますが、これは例え階段の段差があまり高くなくても膝や股関節に負担をかけやすくなる使い方なんです。
フトモモ部分も、使えば使うほど太くなりやすいので、女性にとっては悩みどころでもありますよね。
美脚と美ケツ、そして若さを維持する昇り方とは
ちょっとコツがいりますが、昇り方を次のようにすると
階段を登るごとにヒップアップになり、
脚はボコボコ太ももからスラッと美脚になり、
下腹ポッコリも改善
してきます。
さらには、身体の深部で循環機能が高まり、身体が若返っていきます。
無意識にいつものクセで昇るのではなく、
左の画像のように3つの筋肉を意識して使いながら昇るようにしましょう。
具体的にはどうすれば良いかというと、
- いつもより少し前傾姿勢(背中を丸めないように)にする
- 一段上に脚を上げる時、モモ上げをする要領でサッと上げる
- 上の段に乗り上がる時、モモ裏とお尻を意識的に使うように上がる
です。
3の時に、後ろ脚をつま先立ちにする感じで伸び上がるようにするとヒップとモモ裏を使いやすいです。
この階段の昇り方をすると、大腰筋や腸骨筋が刺激され、インナーにある筋肉群が連鎖的に動きます。
その結果、血流はもとより、体液全体が循環するようになり、その刺激で各臓器が活発さを増し、
代謝も上がっていきます。
総合的にプロポーションの美しさと若返りが叶うわけです。
ぜひやってみてね♪